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安定した高収益を生み出す”田舎戦略”のススメ

安定した高収益を生み出す”田舎戦略”のススメ

狩人商人と農夫商人


昨年、北陸の携帯王とも言われる素晴らしい実績をお持ちの、ある50代の経営者の方と宴会の席で話をしていた時のことです。
(こういう言い方で紹介すると誰だかは分かる人にはすぐに分かりますね(笑))

「不思議なのがさぁ、みんなお客さんが来ない来ないって言いながら、不利な場所にしがみついているんだよねぇ。日本人の感覚なのかな?お客さんがいなければたくさんいる所に移ればいいのにって思うんだけど、そう割り切れる人ってのはいないんだよねぇ」

ああ、狩人の意見だな、と思ったのを覚えています。


狩人とは私の表現ですが、狩猟民族と言い換えても良いかもしれません。
食料となる獲物がいる場所に移動しながら狩をして生活をする、そういった狩猟民族的な気質を持った商売人のことを私は勝手にそう表現しているのです。

狩人商人の特徴は嗅覚に優れ、直観力を頼りにエサ(お客さん)のいる場所を鋭く見つけ出す能力に長けています。
一瞬にして大儲けが出来るタイプですね。
ともすれば場当たり的で不安定なギャンブラー的商売人に見られがちですが場所に過剰なこだわりがないので時代の状況に合わせた融通性を持っているのもこのタイプでしょう。

それに対して場所にこだわる商売人を農夫的と言っています。
(あくまでも私が、ですよ(笑))
農夫商人の特徴は場所を離れない。その場所にあるものを工夫してどうにかしようとする。その土地を利用して安定した生活が出きるように切り開くのがこのタイプですね。
地道な活動を軸にすえてコツコツとお客さんを育てます。
時代の流れの中でダイレクトにその変化に対応するのではなく、その変化の下にある普遍的な流れを重視します。大儲けは出来ないかもしれませんが、戦略的で地道な活動の中で安定した収益を上げていくタイプです。

(ちなみに私はこのタイプですよ)


狩人商人と農夫商人。
この2つのタイプの商売人が話をすると対立が生まれます。
大事なものの軸が違うんですね。
だから物の見方、考え方、価値観がそれぞれ決定的に違う。
狩人から見たら農夫の地道さは理解できないし、農夫からしたら狩人の不安定さが恐ろしい。

もちろん、どちらが良い悪いと言う話ではありません。
気質の違いというだけです。
狩人には狩人としてお手本となるような素晴らしい経営者の方がいるし、農夫には農夫として素晴らしい実績を出されている方もいらっしゃるのですから。

上に書いた方も、狩人的な資質をお持ちで、過去の経験を聞くととても面白い。
波乱万丈、運のよさ、タイミングを見る目。
「俺には真似できないよ~」
と言いたくなることばかり。
だからこそ勉強になることばかり。
私の目標とする経営者のお1人ですね。


さて、話がぶっ飛んでますが実は昨日の続きを書いています。

昨日の日記より
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そこで須崎さんにもう一歩突っ込んで質問しました。

「須崎さんだから出来た、とお思いですか? 自分が特別だから出来たんだ、とお思いでしょうか?」

ふふふ。
この答えが面白かったんです。
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さて、須崎さんはなんてお答え下さったか。


「私だから出来たとは思っていないんですよ。誰にでも私ぐらいにはなれます。そうですね、どうすれば私のような人になれるか?と言うと、『優秀な人と付き合え』ということです。知らないだけなんです。みんな本当は上手く行くのに、上手く行く人の持っている習慣や考え方を知らないだけ。優秀な人とお付き合いしているとそれに気が付けます。自分とどこが違うか、をですね。私のセミナー参加者によく言うんですが『本当に自分を変えたかったら、私のところに住み込みで来て良いよ。それで私と一緒に生活すれば分かるから。私ぐらいには誰にでもなれるんだ』。付き合う人が変われば自分が変わるんですよね。」


これを聞いて「住み込みに行こうかな」って思っちゃいました(笑)

でも、とても大事なことをおっしゃってますね。
これもまた理に叶っている。
色々な方にお話を聞いていると、やはり同じ事をおっしゃる方は多いです。
私としては須崎さんだから出来た、という話にならなくて良かったな~、と(笑)


実は私自身も似たような経験を持っています。
特にここ2.3年ですね。
優秀な方とお会いできる機会が増え、その方々と触れることで教えていただいたものが数多くあります。

でも、似たような、であって本質的には少し違うんですね。
それは上に書いた狩人商人と農夫商人の違いからくるとも言えます。

(とは言え、私が須崎さんと同じレベルの商売人だとは思っていません。まだまだ足元には及ばないのも事実です)

須崎さんがおっしゃった
「付き合う人が変われば自分が変わる」
という言葉は、正に”目的のためには環境を変える”ということです。
狩人的な発想だということが分かりますか?

環境を変えるという狩人的な発想と行動がとれる人ならば、須崎さんのおっしゃることはドンピシャリです。
劇的に自分を変えられると思います。
そしてその変わった自分から出てくるオリジナリティを手にすることが出来る。


でも、気質として農夫的に場所を動かない、環境を変えないことが発想の軸になっている人も実はいます。
例えば秋武さんなんかはその代表例かもしれません。
秋武さんが最近ブランディングにはまっているという話は前にも書きました。
その秋武さんのブランディングの考え方は
「すでにある商品をすでにある市場で売りながらブランド化していく」
と言うものです。
それだけだと「無理じゃないの?」と言いたくなりますが、秋武さんはご自身の商売で干物と言うありふれた商品を門司・北九州と言う地方の昔からある町で売りながらじじやのブランディングを実行してきた人なんですね。

ここに農夫的な発想の原点のようなものがあります。
場所を変えずにあるものを工夫してどうにかしようとすると言う、ですね。



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